イオングループ上期決算状況とグループ各社新店、催事にみる新たな取り組み

イオン2023年 第2四半期決算状況

■イオングループ第2四半期(3~8月)連結業績

増収増益で過去最高を更新。 収益性の高いプライベートブランドの拡販、デジタルを活用した生産性向上や使用電力削減などのコストコントロールが寄与した。GMS事業やSM事業では、セルフスキャン、セルフチェックアウトシステムの導入を進めた結果、 レジ待ち時間短縮によりお客さまの利便性が高まり、店舗オペレーションの効率化により人時生産性が向上した。適切な割引価格を提示して廃棄による食品ロスを削減する「AIカカク」、需要を予測して商品発注を最適化する「AIオーダー」、勤務計画を自動起案する「AIワーク」などAIを活用した効率化が進み荒利益率や生産性が改善した。 

<GMS事業>

2013年以来10期ぶりに上期黒字化。荒利益額の最大化、ショッピングセンター収益改善、デジタル売上拡大を実行し、収益構造改革を加速。トップバリュやデリカで付加価値を高める商品リニューアルを実施、成長領域の冷凍食品は、専門店「@FROZEN」の出店と売場拡大により、食品全体既存店売上高は前年比 103.4%と伸長。

<SM事業>

・ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスは、商品と店舗変革による店舗収益拡大、 EC決済機能やフルセルフレジなどへの投資や省力化投資にも注力。
・マルエツでは「オンラインデリバリー」の取り扱いを41店舗、「Uber Eats」を利用したサービスを108店舗に拡大。
・カスミでは7月にプリペイド機能付きポイントカード「Scan&Go カード」を導入。
・マックスバリュ関東では買物困難地域にて移動スーパーを開始するなど、地域の特性やニーズに合わせた取り組みを進める。
・フジでは、移動スーパーは、合計46店舗を拠点に81台243ルートでサービスを提供。
・マックスバリュ西日本は、地元素材使用の弁当や加工品を「バイヤー三ツ星」 として全店に展開し、夕刻以降の出来立て惣菜の拡充に注力。3月の兵庫プロセスセンターの稼働のほか、専用端末でスキャンしながらお買い回りができる「マイピレジ」導入店舗の拡大など、デジタルによる生産性向上も図っている。
・マックスバリュ東海では、生産者を応援し地域に親しまれる「じもの」商品の品揃えの拡充や、食事バランスを考慮した商品の共同開発を通じて健康的な食生活の提案に努める。累計201店舗にキャッシュレスセルフレジを導入し、レジ精算の利便性向上やレジ関連業務の削減に努め、「Uber Eats」を利用した商品配達サービス拠点を合計43拠点まで拡大。
・まいばすけっとは、都市部の人流回復により客数が増加。
 

「マルエツプチ品川橋店」オープン:「小型店」強化

「マルエツプチ品川橋店」は、入居ビルの建て替え工事による旧店の閉店から3年を経て、10月20日開店した小型店(売場面積65坪)である。マルエツ全体で306店舗目。プチでは73店舗目。首都圏地区では、「まいばすけっと」を始めとした小型スーパー店舗が伸長傾向であるが、CVS新規出店の鈍化傾向、高齢化による近隣店舗ニーズ増等の要因であると思われるが、イオングループの小型SM事業への取り組み強化が注目される。
「マルエツプチ品川橋店」は、品川区内ではマルエツ5店舗目になる。「鮮度」「商品との出会い」「ストレスゼロ」「繋がり」の4つの価値を提供する、地域になくてはならない店づくりを目指している。

当店は京浜急行本線「新馬場駅」より東側に300m位置した場所(東京都品川区北品川2-28-14)で、低・中層マンション及び戸建てが立ち並ぶ住宅地。商圏300m人口は、7,147人、世帯数4,037世帯。単身世帯58.3%、2人世帯20.1%、三人世帯11.3%、4人以上10.3%と単身世帯構成比が高い地域となっており、小容量、簡便、即食を意識した品揃えを強化充実している。
 

【売場特徴】

周辺は小型店舗しかない為、青果を充実させる売場としており、単身世帯に合わせて、使い切れる適量商品やカットサラダ・野菜などの簡便商品を品揃え。

 
精肉でもオリジナル「優夢牛」「桜もち豚」「みちのく森林鶏」を小容量から品揃え。即食性の高いおつまみ商材の品揃えを強化し、精肉では「おつまみ牛すじ」「親鶏炭火焼」などの「おつまみミート」、鮮魚では「もみじポン酢で食べるあん肝」「大根おろしソースで食べる蒸しかき」などの「御魚屋さんのおつまみ」を惣菜売場で集合展開。

 
惣菜売場は、サテライトの別店舗から供給する商品とアウトパック商品で品揃え。
丁寧に焼き上げた「だし汁が美味しい玉子焼」をはじめ、天ぷら、フライ、中華などの人気の惣菜を品揃えすると共にレンジアップ商品を充実させた。

 
日配商品も単身世帯への対応として、即食性の高い商品の品揃えを強化。冷凍商品でもワンプレートタイプ商品を展開。一般商品では、ワインの品揃えを充実。

マルエツとしてお勧めする商品を、「maruetsu365」として、各売場で強調。こだわり品質訴求の「黒」、値ごろ訴求の「緑」のPOPを目印としてアピール。

カテゴリー別SKU数及び売上計画構成比は、青果247(18%)、精肉135(12%)、鮮魚115(6%)、日配880(21%)、惣菜198(15%)、一般食品1,734(26%、うちアルコール7%)、日用雑貨540(2%)、合計で3,849SKU。年間売上目標は、4.3億円。

全てのレジでスマートフォン決済サービス「Scan&Go」を導入し、レジ待ち時間の解消に繋げていく。
品川橋の店取扱商品の中から約1,100品目を、「Uber Eats」Webサイトやアプリから注文出来るようにした。注文後、平均30分程度で届けることが出来る。「Uber Eats」導入店舗は、109店舗目。
 

イオンフードスタイル横浜西口店:「CATCH&GO」

ダイエーは、10月27日に「イオンフードスタイル横浜西口店」をオープン。2019年に閉店したダイエー跡地にオープンする商業施設「CeeU Yokohama」の核店舗として再出店。この施設には、大型家電量販店、ドラッグストアなどの専門店24店舗を導入。
横浜駅から徒歩5分に位置(横浜市西区南幸2-16-1)しており、周辺1㎞圏内に、20~40代を中心とした約4万7千人の居住人口である。イオンフードスタイル横浜西口店は約453坪、営業時間は7時~23時。

店舗の特徴としては、国内スーパーに初めて併設する、ウォークスルー「CATCH&GO」を併設している点が上げられる。セルフレジ型店舗とは異なり、商品バーコードをスキャンする手間がかからない仕組みであり、NTTデータとの取り組みにて展開する。専用アプリをインストールし、自動的にキャッシュレス決済が完了するもので、利便向上と次世代のお買い物体験を提供している。1日に約1千人の客数を目標としている。
11月からは、ダイエーネットスーパーを運用する予定。店内で販売する1万点を提供する。

【売場特徴】

店舗としては、駅隣接のターミナル百貨店との共存を図るべく、周辺調査を綿密に行い、地域一番のフラワーコーナーを展開し、季節の花から新鮮な生鮮食品まで暮らしを彩り豊かにする品揃えを強化した。
 
採れたて鮮度の「横浜野菜」では、ほうれん草、小松菜などの葉物野菜を中心に展開。

 
地場産の「三崎まぐろ」を使用した刺身やにぎり寿司、地魚を使用した焼き魚を豊富に提供している。また、単身ニーズに合わせた少量パックも展開。

 
畜産では、オリジナル「さつま姫牛」「さつま王豚」をサイズ豊かに展開。

 
石室窯で焼き上げたベーカリーでは、生フランスブール、アップルパイ、フォカッチャ等を80品目展開。
デリカコーナーでは、人気のアジアンメニューを展開すると共に、朝食メニューとして「グラノーラサラダ」、「ミルフィーユサラダ」等のカップサラダを36品目展開。名店の中華まん、横浜中華や餃子、横浜・鎌倉のクラフトビールなどのこだわり品を豊富に品揃え。

 
■寿司コーナー

 
■冷凍コーナー

 
■ウォークスルー「CATCH&GO」

 
ダイエーは、首都圏・近畿圏で206店舗を展開しているが、自社農場やプロセスセンターを活用した独自商品の開発、トップバリュ等の商品の拡大、AIによる需要予測型発注システムの活用、電子棚札の採用、DXの推進などで生産性改善につとめている。上期業績は、ダイエーSMで営業収益103.9%、営業利益は前期差10億円増と再編に伴う改善は着実に進んでいる模様である。
 

イオンリテール板橋:「福井・北陸フェア」11月9日から開催

ブラックフライデーを控え、来店客が落ち込みやすい期間に、北陸新幹線が来春福井・敦賀まで延伸し、交流の期待が高まる福井を中心にした北陸三県の県産品を、11月9日から5日間、大消費地の首都圏(東京・神奈川・千葉・山梨)のイオン、イオンスタイル70店舗でのフェアで展開して盛り上げた。
旗艦店舗の「イオンスタイル板橋」では、「福井県立恐竜博物館」の協力のもと、恐竜の模型などを展示も行い、集客に貢献していた。

およそ6年の歳月をかけて開発された福井のブランド米「いちほまれ」を使用した弁当や「あごだし入りおにぎり」や「越前かにめし」、冬の風物詩「水ようかん」、「越前そば」、「羽二重餅」などの県産品、福井産野菜では「ほうれん草、さといも、大根」、「能登豚」、北陸の銘酒、日本海で取れた越前がに、鮮魚・海の幸など約170品目を取り揃えた。

【県産品】

 
【パン】

 
【酒】

 
【魚】

 
【デリカ】

 
【野菜】

 
【恐竜コーナー】