<惣菜新時代とは>
日本の食市場は、少子高齢化による人口減少で市場が縮小する中、単身世帯の増加、女性の社会進出や共働き世帯の増加など、ライフスタイルが大きく変化し、食の外部化が着実に進展しています。中食惣菜市場は、コロナ禍により2020年、21年と減少しましたが、2024年の惣菜市場は11兆2,882億円で前年比2.8%と増加して、過去最高を更新しました。業態別動向では、CVS(コンビニエンスストア)が全体の31.2%を占め、次いで食品スーパーが30%、惣菜専門店が27.2%で続く状況で、コロナ前の2019年対比では食品スーパーが最も伸長傾向となっています。
スーパーマーケットでは、惣菜部門は粗利率が高く利益商材であると同時に、集客を喚起する重要な戦略部門の位置付けになっています。食品スーパーの惣菜の売上高構成比は、1割を超えてきていますが、有力スーパーでは生活者の簡便・時短あるいは「作らない化」への対応を強め、生鮮売り場の惣菜化も目立ってきました。さらに人材不足という背景及び合理化・省人化を狙いにしたプロセスセンター(PC)を稼働させる食品スーパーも増加傾向となっています。
伸長を続ける中食惣菜市場ですが、多くの経営課題に直面しています。365日稼働する労働集約型製造現場、慢性的人手不足、外国人社員に依存する人員体制、原材料高、エネルギーコスト高及び物流費の上昇など、惣菜の製造・販売に携わる企業にとり、経営課題は山積となっています。しかし、時短や簡便性に対する消費者のニーズは今後も高まり、惣菜への消費者の期待は揺るがないと思われます。また、小売業全体でも、製造小売(SPA)モデルが成長し、サプライチェーン全体を管理する方向性は重要なテーマになっています。また、DXやロボット、AIの活用も避けられない状況です。
「惣菜新時代」の「惣菜・デリ通信」では、惣菜業界及び関連業界に従事する方々に、少しでもお役にたつ情報を発信し、価値ある原料調達、商品開発を提案すると共に、省人化・合理化等を推進し、中食惣菜業界の産業化が進展し、働きたくなる、魅力的な業界になることを一緒に目指していく所存です。
<運営会社>
- 社名:株式会社TFMIカンパニー
- 代表者:代表取締役 伊東 裕雄
(略歴)
1981年慶應義塾大学卒。日清製粉株式会社入社後、日清フーズ(現日清製粉ウェルナ)関東、広域、業務用営業部長を担当。2000年以降、日清製粉グループの中食惣菜事業立ち上げを担当。12年トオカツフーズ取締役(15年同社取締役副社長)、18年日清フーズ常務取締役中食惣菜事業部長、19年イニシオ取締役社長を経て、23年TFMIカンパニーを設立。中食惣菜業界の産業化を目指し、携わる方々の幸せ、地域原料・惣菜メーカー・スーパー製造小売の発展に向けて、支援活動邁進中。 - 事業内容:中食惣菜事業に関する調査研究、情報配信サービス、セミナー企画・運営
- 本社所在地:〒173-0005 東京都板橋区仲宿60番16号 マルジュー仲宿ビル