セブン&アイの力を結集した「ピースデリ千葉キッチン」稼働開始、グループで「食」を強化

  

「ピースデリ千葉キッチン」2月27日稼働開始

株式会社セブン&アイ・ホールディングと株式会社イトーヨーカ堂(代表取締役社長:山本哲也)の子会社である株式会社Peace Deli(ピースデリ、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和瀬田純子)は、グループ戦略の一環であるグループ食品戦略を推進するにあたり、グループシナジー3.0の具体的施策として、イトーヨーカドーの首都圏約200店舗に向けて商品を供給する、セブン&アイグループの共通セントラルキッチン「ピースデリ千葉キッチン」(千葉県千葉市)の稼働を2024年2月27日より開始することを21日発表した。
千葉県流山市(昨年3月稼働)、埼玉県北葛飾郡杉戸に続く、3拠点目の工場となる。

セブン&アイグループの共通セントラルキッチン「ピースデリ千葉キッチン」外観

写真左より Peace Deri 和瀬田社長・イトーヨーカ堂山本社長・セブン&アイHD石橋常務

 
記者発表で、イトーヨーカ堂の山本社長は、「スーパーストア(SST)事業の構造改革では、食と首都圏にフォーカスしている。事業領域とエリアを明確にすることで選択と集中をしていく。中食市場は伸長しており、今後のチャンスとして捉えていく。今までは、インストアでのみの対応だけであり、それでは限界があった。新しい商品もなかなか出すことが出来なかった。イトーヨーカ堂のモノは良いけど、価格は高いというお客様の認識も変えていきたい。惣菜商品は、店を選択する基準になっている。惣菜供給で、一番の武器になるのがインフラの整備である。ピースデリという共通のインフラを活用することで、オリジナル商品を開発し、現在の食品内の惣菜売上構成比13%を15%(2026年2月期までに)に引き上げていきたい。惣菜の強化により、新しい顧客を取り込むことで客数の4%アップを目標としている。製販一体となった取り組みにより、差別化した、新しいオリジナル商品を発売することで、収益改善も図っていきたい。さらに惣菜売場のゾーニングも見直し、面積も拡充させていく予定である。またピースデリからの惣菜商品は、惣菜売場全体の20%を目指していくが、それによりインストア製造に追われていた店舗社員は価値を伝達する仕事にシフトするようにしていきたい」と述べた。

イトーヨーカ堂 山本社長

 
セブン&アイHD常務執行役員の石橋誠一郎スーパーストア(SST)事業統括は、「SST事業が成長するパーツとして、専用インフラであるプロセスセンターとセントラルキッチンが必要となっている。HDとして、しっかりとサポートする体制を築きあげていく。グループの一番の強みは、マーチャンダイジングである。グループ連携して商品開発することで、今までの世の中にない商品サービスを実現していく。ヨークベニマルの50年に渡るノウハウも活用・導入しヨークベニマルと同じ設備も採用し、新たなインフラを構築すると共に、生産性を向上させ、コスト削減を図り、新製品をどんどん発売出来る体制にする。ピースデリでの集中調理により、品質向上を図り、新製品開発速度も高めていく。また200店舗への供給というスケールメリットを生かしたコスト削減も図っていく。さらに、日本デリカフーズ協同組合(NDF)にピースデリも加盟する等により、グループを挙げてピースデリをサポートしていく体制にしていく」と述べた。

セブン&アイHD 石橋常務

 
「ピースデリ千葉キッチン」は、惣菜・ミールキット等の製造を行うセントラルキッチンと精肉加工を行うプロセスセンター機能を持つ食品製造工場である。出来立て・作りたてという店内調理の長所を守りつつ、店内加工の機能の一部をセンター化することで店舗オペレーションにおける生産性向上と同時に、従来は難しかった季節に合わせたタイムリーな惣菜の商品開発を可能としていく。また、グループのヨークベニマル(本社:福島県郡山市)の知見を活かした素材本来のおいしさを最大限に引き出した拘りの商品開発を目指し、食のSPA化を推進していく方針である。千葉キッチンからは、セブンイレブン店舗への商品供給、イトーヨーカドーネットスーパー専用商品の開発なども予定している。
 

ピースデリ千葉キッチンの概要と特長

■ピースデリ千葉キッチンの概要

所 在 地:千葉県千葉市緑区誉田町2-28-10
敷地面積:約9,979坪
延床面積:約6,341坪
供給商品:
・惣菜(ポテトサラダ、肉じゃが等) 15万パック/日
・精肉(豚鳥、たれ付き肉等) 5万パック/日
・ミールキット各種
稼働予定:7時~19時(想定)
 

■ピースデリ千葉キッチンの特長

1階の惣菜製造のセントラルキッチンでは、野菜を丸のまま入荷して、洗浄・カットする。
惣菜(肉じゃが等)は、毎日出汁を取り、素材本来の味を引き出す調味調理を実施。
ポテトサラダは、原材料(美味しいじゃが芋)と製法(皮むき、下味、攪拌等)に拘った商品を供給する。

野菜の受け入れ

カット・洗浄後調理へ

ポテトのふかし機

ポテトのふかし機

毎朝の仕事始めは出汁作り

たれ製造機

 
2階の精肉加工のプロセスセンターでは、豚肉・鶏肉等を5℃管理下で製造する。グループとして初めての惣菜と精肉が一体化した工場であるので、それを活用した弁当等の商品開発を進めていく。また、たれの内製化も進め、それを活用した商品化も進める。

ミート加工機械各種

メンチ、コロッケ製造ライン

製造してすぐにフリーザーへ

肉の味付け機

 
また製造面での人手不足対応策として、特定技能実習生(主にベトナム国籍)を約240名採用して、対応する予定にしている。
 
ピースデリ和瀬田社長から「日本一の美味しいものを作る惣菜工場にしたい。働く人が気持ち良く働ける工場にしたい」と意気込みを語った。
 
また環境面を配慮した取り組みとして、工場で使用する電力の約30%を工場屋根に設置した太陽光発電システムから調達することでCO2を約500t/年を削減する計画である。また、工場内で発生した食品残渣はコンポストで堆肥化し、再利用するスキームとしている。さらに、コンプレッサから出る排熱を回収し、熱源として利用する事でCO2を約4t/年を削減する効果も見込んでいる。