5月8日、2024年3月期の業績発表をサミット代表取締役服部哲也社長、取締役常務執行役員前田昭夫氏の出席により実施されたが、2024年3月期業績は増収増益で、売上高は過去最高の3,339億円(前期比107.9%)であった。既存店売上高は7.1%増、客数3.7%増、客単価3.3%増であった。営業利益は60億円(前期比118.6%)。
2024年3月期は、「新大塚千川通り店」(東京都豊島区)、「ららテラスHARUMI FLAG店」(東京都中央区)の2店舗をオープン。改装は11店舗。
サミット全店では138店となり、東京都102店、埼玉県12店、神奈川県18店、千葉県6店で、東京都の構成比が約70%を占めている。
写真左)前田取締役、 写真右)服部社長
業績発表記者会見にて、服部社長より「23年度は非常に良い決算となった。既存店売上伸長率が107%とサミット史上で一番ではないかという伸びを示した。社員に感謝している。値上げ効果もあったし、コロナ禍から通常モードの営業となり、お客様に寄り添う営業を推進出来たことも影響した。また社員にインフレ手当も支給することが出来た。昨年度は商品開発及びコストセーブへのチャレンジに取り組んできた。岡田MD本部長が毎週産地、工場の訪問に伺っている。今まで自社内情報で考えていく体質であったが、色々と情報を収集し、他社に学んでいくことを管理部門も含めて進めた。『生きる糧を分かち合うお店』を使命として取り組んできたが、非常に手応えを感じており、良い店、強い店になってきている」との報告があった。
<カテゴリー別売上構成比・伸長率>
カテゴリー別ではベーカリー116.9%が大きく伸長したが、改装でのベーカリー売場の導入効果であった。また、新製品開発、主力商品の磨き上げも功を奏した。衣料品は4店舗閉鎖した影響である。
2025年3月期は、売上高3,540億円(前期比106%)、営業利益93億円(154.9%)、経常利益94億円(154.1%)、当期純利益59億円(144.8%、上方修正)を見込んでいる。新店舗は、埼玉県に1店舗を計画している。
来期に向けた取り組みとして、以下の点について服部社長より説明があった。
「人事体制も大きく見直しをしようと考えている。今までは店長になる為にどう能力開発をしていくかの体系であったが、一人一人の個性、やりがい、働き甲斐、適性などを取り込める人事制度、体系を実現すべく検討を進めており、機構改革も進めた。」
「教育についても変えていくべく、色々な取り組みをしている。店舗の社員も減っており、教育もままならない。学びと成長をお互いに進めるようにしている(共に育む:「トモハグ」と称している)」
「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策も取り組んでいるが、いらっしゃいませを言わない接客、頭を下げない接客にチャレンジしている。おはようございます、こんにちはと挨拶し、目を合わすチャレンジをしている。」
「DX、物流については、同業に追いつくべく取り組んでいる。自動発注も秋には完全な自動発注をグロサリーで導入予定である。」
「ネットスーパーについては現在8店舗であるが、24年度からは毎年1店舗導入していく予定。黒字化している店舗も出てきた。あくまで実店舗で買い物して頂く方への対応として考えている。そして4月より店の部門化とした。」
「23年度より開始した中期経営計画の最終年度となる2026年3月期は、現時点で2店舗の新設予定である。建設費用高騰、人員採用などの難しさ、賃料アップもあり、出店数が落ちているが、量よりも質を重視していく。1店1店を強くしていく。」