「イオンのおせち2025」発表、「伝統とトレンド」テーマに品揃え強化

 
イオン㈱、イオンリテール㈱、イオントップバリュ㈱の三社は、8月1日の最速のタイミングで2025年のおせち商品を発表した。

 
「賑わい消費」に対応、テーマは「伝統とトレンド」 

発表会では、イオン㈱取締役執行役副社長の土谷美津子氏より、おせち市場について説明がなされた。
「正月を祝う伝統料理のおせちを調査したところ、最も売れたおせちのおかず数は年々拡大(24年70品)、和洋折衷型の構成比が伸長(構成比36%)、4~5人前のおせちが伸長(構成比17%)という傾向がみられた。また10年スパンでは、手作りが減少し、おせち単品やセット予約が増加傾向であった。販売チャネルは通販チャネルが伸長、予約開始時期も年々前倒し傾向となっていることも明らかになった。お盆で集うこの時期に発表することで、家族でおせちを決めたいと意向にも沿うことにもなる。以上を踏まえ、トップバリュ11種に加えて、地域の特性を生かしたおせち11種を、昨年より約1ヶ月早い8月1日より一部商品の予約を開始し、9月2日より本格展開を行う予定。」

イオン土谷取締役執行役副社長

 
添加物不使用、一流料理人監修、こだわりおせちを強化 

次いで、イオントップバリュ㈱取締役商品開発本部長の高橋幹夫氏より、新商品の概要について説明がされた。また監修した料理人を代表として、神楽坂「一凛」橋本幹造料理長より拘りの点に関して説明がなされた。
「2025年のイオントップバリュおせちは、①素材の味を極めた、食品添加物を使用しないおせち、②一流料理人監修の至極のおせち(和洋中の三品)、③みんなが集うお正月のこだわりおせち(4人前73品目、特大二段重)いうコンセプトで開発した。」と高橋取締役よりトップバリュ商品ついて説明があった。

イオントップバリュ 高橋取締役商品開発本部長

トップバリュおせちラインナップ

 
■2025年おせちの取り組 

イオンリテール㈱食品本部デリカ商品部長の金子聡氏より、2025年のおせち取り組みついて説明がなされた。
「①能登復興支援の取り組みとして、和倉温泉・加賀屋監修の北陸おせち、金澤ぜにや監修のオードブルを発売する。②消費の2極化への対応として、「京都貴船右源太」監修の和五段重(10万円)を発売する。③2025年らしさを感じるおせちという事で、大阪・関西万博おせち、AIと創った未来創造おせちも発売する。」

イオンリテール 金子デリカ部長

○能登復興支援おせち

○貴船右源太監修 和五段重「気生根」

○大阪・関西万博おせち

○各地域のイオングループのおせち

 
 
■2024年重詰おせちの動向と今後 

2024年の重詰おせちの国内市場規模は、約843億円(23年比98.5%、流通店頭販売ベース)。一部の付加価値商品は好調を維持したが、販売価格の上昇影響もあり全体としては販売数量が減少したと推定される(富士経済調べ)。
2023年は、原材料高騰を受けて、販売価格を改定する商品が増加(平均価格が750円程度上昇)。またジャパネットたかたが早期1万円割引を実施し販売を強化したほか、スカイネットの福袋おせちが好調で売上を伸長させた事などもあり、市場全体は拡大傾向であった。しかしながら、2024年も原材料高騰による販売価格上昇も続いた事、コロナが落ち着いたこともあり帰省や旅行をする人が増加した影響などから、販売数量が減少した。一方で、価格改定により、24年の平均販売価格は、26,619円と約1千円アップした状況であった模様(帝国データバンク調べ)。
 
2025年のおせち市場は、ネット予約などの発表が始まったところであるが、価格の二極化傾向、少人数お節など品揃え強化などの傾向が出てきている。また、ネット・通販市場が新規参入も増えてきており、激しい競争状況になると予想される。今後の発表などを引き続き注視していきたい。

 
 
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