
イオンは3月6日、トップバリュの2025年度のトップバリュ取り組みと春の新製品についての発表会を開催した。
不安定な世界情勢や先行き不透明な景気などの影響で、増加の一途をたどる家計負担。さまざまな商品サービスの価格が上昇傾向にあり、小売りの現場ではプライベートブランド(PB)の存在感がいっそう高まっているが、そのような環境下において、イオンとしてトップバリュの取り組みを一層強化する方針が打ち出された。

左から イオントップバリュ㈱高橋取締役、土谷社長、森副社長
土谷トップバリュ社長
イオン㈱取締役執行役副社長 兼イオントップバリュ㈱代表取締役社長の土谷美津子氏より、2025年度のトップバリュに関する取り組み方針について説明があった。

「1月に内閣府が実施した消費者動向では、生活者の消費マインドは全体的にダウントレンド。雇用環境も芳しくなく、消費者の態度指数として”あまりお金を使いたくない”という傾向を示しており、暮らし向きが急降下している。
3月は約3,000品目、4月は3,500品目の生活必需品や光熱費の値上げが予定される状況である。2024年度のトップバリュ3ブランド(「トップバリュ」「トップバリュ グリーンアイ」「トップバリュベストプライス」)伸長率は、高い水準を記録し、2023年度比で売上は2桁増。利益高は110%を超え、売上は約1兆800億円に達する見込みで、2025年の目標は1兆2千億円である。我々が実施した全国600名の生活者アンケート調査では、7割の方が『ナショナルブランドからPBへの切り替えが増える』と回答し、年代に関わらずPB比率は増えていることが見て取れる。PBに求めることに関する質問には『価格の安さ』をトップに、『味・おいしさ』『品質の良さ』を重視する回答であった。また普段から購入しているPBブランドの約4割がトップバリュと回答された。この事にプレッシャーを感じているが、開発を更に進めていく所存である。トップバリュがあるから、イオンへ行くという事を目指す」(土谷氏)

高橋トップバリュ取締役商品開発本部長

“コツコツコスパ”を銘打ち、生活に寄り添ったコストパフォーマンスの高い商品を開発してきた「トップバリュ」であるが、商品開発本部長の髙橋幹夫氏は、新商品の詳細説明の前に基本的な開発方針について以下のように述べた。
「コストパフォーマンスを考える上では、商品の価格だけではなくさまざまなコストを考えることが大切。調理や後片付けにかける時間的コスト、身体的・心理的な負担といったコスト、調理の際に消費する光熱費のコスト。我々はこうしたお客様のコストをできるだけ軽減するため、知恵を絞りながら商品開発を行なっている」
まずは紹介されたのは、ベストプライスから発売される「早ゆでスパゲティ3分」と、野菜の価格高騰で注目を集めたカット済み冷凍野菜シリーズの新商品「スライスきゅうり」。
「早ゆでスパゲティの最大の特徴は、直輸入により中間コストの大幅削減で実現した、500g198円という圧倒的な価格優位性だ。調理時間も従来の半分以下に短縮し、同社試算ではパスタを茹でる際の光熱費を約3〜4割削減できる。
「早ゆでスパゲティはソースが絡まりやすい麺の形状にもこだわり、高いコスパを実現した商品に仕上がっている。スライスきゅうりは、1袋あたり3本のきゅうりをスライスした冷凍商品。年間を通じて安定的な価格で供給することで、本商品が冷蔵庫の必需品となることを目指す。今後も冷凍野菜では既存商品の改善と、ニーズを捉えた新商品の開発を進めている。」


「レンジでおいしいひもの」シリーズも”簡便需要”に対応した商品のひとつ。より手軽に魚を味わえるといったコンセプトもとで、「さば」「縞ほっけ」「あじ」「さけ」「かれい」「ぶり」の計6魚種を選定し、商品予定。

「美と健康を意識する市場の拡大を狙うカテゴリーとして、カクテル風や紅茶フレーバーの「飲む酢」、牛乳を加えることでぷるぷるのデザートになる「食べる酢」などの”酢”関連商品も展開する。飲む酢はフルーツとお酢を組み合わせ、甘さを抑えたビターテイストの飲料で、5色の鮮やかなカラーが特徴。
今回はワクワク・楽しい・おしゃれといったキーワードで、気分に応じてテイストを選んでいただける商品の開発を行った。食べるお酢は牛乳と混ぜてスイーツ感覚でお酢をおいしく召し上がっていただけるという、新コンセプトの商品となっている。加えて、韓国でトレンドのティーカフェなどから着想した、希釈タイプのビネガードリンク「TEA&Vinegar」(ティーアンドビネガー)も新発売。さらにオーガニック「純玄米黒酢」「純りんご酢」の2種類を発売」。

続いて紹介されたのは、「レンジでできる! 中華炒めないの素」というレンジ加熱だけで炒め物ができる新商品。「麻婆豆腐やホイコーローなど計5品で展開し、家庭内の食品ロス削減にも貢献する。「レンジで焼きたての餃子」などの中華惣菜を味わえる商品も発売する。餃子の商品は発熱シートを用い、餃子の表面にしっかり焦げがつくというもので、油やフライパンを使う必要がない。洗い物が少なく、単身世帯の方にも受け入れられやすい商品。」

