イオン新店「そよら湘南茅ケ崎」及びイオン「ベトナムフェア」にみる新たな取り組み

6月1日「そよら湘南茅ケ崎」オープン

「そよら湘南茅ケ崎」が6月1日リニューアルオープンした。日常にさわやかなそよ風が吹き込むようにとの思いを込めた、イオンリテールの新たなフォーマットであるが、関東地区での最初の出店になる。2023年は、「そよら」を5店舗出店する予定。

JR茅ヶ崎駅から徒歩約7分、車でも徒歩でもアクセスの良い立地にリニューアルオープン

オープンセレモニーで挨拶する井出社長

 

〇核店舗「イオンスタイル湘南茅ケ崎」デリカ売場カメラルポ

イオンリテールでは、食マーケットの変化を踏まえて、定番メニュー内の提供価値の刷新に取り組んでいる。特に、惣菜利用率が高く、市場規模の大きなフライカテゴリーの品揃え強化を推進している。
例えば、家庭では調理頻度が少ない海鮮フライだが、「アジフライ」はプロセスセンターから生原料での供給を行うことにより、専門店レベルの品質を実現。“ふっくらジューシー。アジの旨味”を追い求めた商品に仕上がっている。

素材からこだわり、アジの旨味を追い求めたふっくらジューシーな「アジフライ」

季節を加味したメニュー「鬼おろし!さっぱり揚げ物」

品揃えを強化しているフライカテゴリー

  

〇バックシステムとしてのPC戦略とメニュー開発

イオンリテールとしては、バックシステムとしてのPC戦略に取り組んでおり、新規PC機能(R&D機能、カミサリー機能)により、「美味しさ、出来立て品質の向上」、「アウトパックによる豊富な品揃えの実現」を目指し、定番商品価値刷新と外食需要奪取に向けた新メニュー開発を進めていく。さらに、オリジナル商品を創造する、製販一体の商品開発・製造・販売能力の構築をする役割をPCに求めている。
新規商品開発領域では、スーパー店頭でも見かけるようになったが、惣菜利用率が低いカテゴリーである、「ハンバーガー」の取り組みを開始、新発売した。それ以外に横須賀海軍カレーライス、夏場に向けてのクール麺なども積極的に展開している。

旨味や肉感、店内手作りにこだわったハンバーガー、メンチカツバーガー

地元神奈川のうまいもの「よこすか海軍カレー」

「よこすか海軍カレーパン」も品揃え

夏場に向けて、冷やし麺シリーズもボリューム豊富に展開

 

〇デリカ売場詳細

店内で生地伸ばしからはじめる「ピッツァ」の提供

小豆原料にこだわった「おはぎ」をボリューム陳列

オリジンレシピで店内手作りおにぎり

麻婆豆腐やゴーヤチャンプルーなどの「できた亭」コーナー

リンゴ酢と生姜でさわやなか「中華春雨サラダ」

個包装のおさかな惣菜を品揃え豊富に展開

  

日越外交関係樹立50周年記念 イオン「ベトナムフェア」カメラルポ

6月23日~25日まで、本州四国のイオン及びイオンスタイル約360店舗にて、「ベトナムフェア」を開催した。それに伴い、イオンレイクタウンで開催記念セレモニーが行われ、駐日ベトナム大使館、イオン㈱の土谷副社長、岡崎執行役アセアン担当、古澤執行役ベトナム担当等が出席した。

開催記念セレモニーで挨拶する土谷副社長

テープカットセレモニーも行われた(左二人目からリテール七尾常務、古澤執行役、岡崎執行役)

ベトナムフェアを告知したチラシの実例(2023年6月23日~25日)

イオンの国際事業は、営業収益 4,974億円(前期比 120%)、営業利益 129億円(前期比 230%)と好調。
特にベトナムは海外戦略上で最も重要な市場と位置付けており、イオンベトナムは大幅増益。ベトナム国内におけるイオングループ展開は、中間層ニーズに応えるため、ショッピングモールを増加させる計画を推進中である。

  

〇イオンレイクタウン「ベトナムフェア」の詳細

今回のフェアでは、2022年11月に日本への生輸入が解禁になったベトナム産ロンガン、旬を迎えたライチ、ドラゴンフルーツ等のベトナム産フルーツ、ベトナムコーヒー屋台や衣料・雑貨のブースも展開し、日本にいながらベトナムで買い物をしているような気分を訴求。

フレッシュなベトナム産のロンガン、ドラゴンフルーツ、ライチなどのベトナム産フルーツを訴求

インスタント麺やスナック菓子など、ベトナムで製造された加工食品を多数品揃え

衣料や雑貨のブースも展開

デリカコーナーでは、生春巻き、バインミー、フォー、焼きビーフン等やベトナムスイーツのエスニックメニューを多数展開。さらに、トップバリュグリーンアイナチュラル「ASC認証ベトナム産冷凍エビ」を使用したメニュー提案も行った。

海老やスモークサーモン入りの生春巻き

ベトナムの国民食と呼ばれる「バインミー」はベトナムのサンドイッチ

「ベトナム風網目春巻き」と「グリーンカレー」も品揃え

「パッタイ」や「ビーフン」などのベトナムの麺料理を訴求

トップバリュグリーンアイナチュラル「ASC認証ベトナム産冷凍エビ」でメニュー提案

 

〇エスニック料理のデリカ需要は増加傾向

コロナ禍以降、デリバリーが急増したが、エスニック料理の注文が増加傾向となっている。フードテック総研の調査(22年9月)によると、エスニック料理は、「デリバリーで注文する(43%)」、「テイクアウトする(24%)」、「レストランで食べる(約20%)」というように、惣菜メニューとしての需要は増加傾向となっている。また、好きなエスニック料理は、1位「タイ料理(81%)」、2位「インド・ネパール料理(80%)」、3位「ベトナム料理」となっている。
しかしながら、タイ料理を専門店で喫食経験がある方は限られており、タイ料理店は全国に約2千店舗あるが、うち40%近くの850店は東京都内にという状況である。但し、タイ風グリーンカレーやガパオライスなどは日常メニューとしてファミレスでも提供されており、無印良品レトルト「グリーンカレー」は2002年発売しベストセラー商品となっている。

イオンリテールとしては、今後の新規取り組み領域として、冷蔵主食メニューの開発強化を進めていく方針で、エスニック料理メニューの品揃え強化もその一環。「パエリア風魚介のスープ リゾット仕立て」、「海老トマトクリームスープ」、「自家製ブイヨン使用のスープカレー」等の冷蔵メニューを強化している。
エスニック料理の商品開発で先行しているのが、成城石井。成城石井はエスニック料理メニューが豊富であり、成城石井でしか買えないメニューとして女性客を中心に支持されている。インドネシア「ナシゴレン」、タイ「ガパオライス」「パッタイ」「トムヤムクン」等の充実の品揃えとなっている。これら領域はさらに需要の増加が期待されており、開発体制、売場コーナー展開、プレゼンテーションへの取り組みが今後の課題である。