惣菜新時代とは・運営会社

惣菜新時代とは

 日本の食市場は、少子高齢化による人口減少で市場が縮小する中、単身世帯の増加、女性の社会進出や共働き世帯の増加など、ライフスタイルが大きく変化し、食の外部化が着実に進展してします。順調に拡大を続けてきた中食惣菜市場ですが、コロナ禍により2020年、21年と減少しましたが、2022年の惣菜市場は10兆4652億円と、コロナ禍前の水準に回復し、前年比3.5%増加しました。業態別動向では、CVS(コンビニエンスストア)が全体の31.3%を占めトップ。これに食品スーパーが29.4%、惣菜専門店が27.1%で続く。総合スーパー(GMS)は8.9%の微減、百貨店は3.2%の微増。CVSが引き続き最大の販売チャネルとなっているものの、2020年に比べ0.8㌽シェアを落とす一方、食料品スーパーが同1.3㌽シェアを拡大。その差を4.0㌽から1.9㌽に縮めています。
 全国スーパーマーケット協会など業界3団体の2022年の年間売上高でも、惣菜の売り上げは前年比4.4%増。粗利率が高く利益商材であると同時に、集客を喚起する位置付けに育っており、食品スーパーの惣菜の売上高構成比は1割を超えてきています。有力スーパーでは生活者の簡便・時短あるいは「作らない化」への対応を強め、生鮮売り場の惣菜化も目立ってきました。精肉・鮮魚売り場で惣菜を扱っているのは総合スーパー、食品スーパーともに5割を超えています。合理化や効率化を狙いにしたプロセスセンター(PC)を利用しつつも、最終段階ではインストア作業を加えて付加価値を高める傾向も見られます。
 このように10兆円市場に復活して、伸長を続ける中食惣菜市場ですが、多くの経営課題に直面しています。365日稼働する労働集約型製造現場、慢性的人手不足、外国人社員に依存する人員体制、原材料高、エネルギーコスト高及び物流費の上昇など、惣菜の製造・販売に携わる企業にとり、経営課題は山積となっています。しかし、時短や簡便性に対する消費者のニーズは今後も高まっていくはずであり、惣菜への消費者の期待は揺るがないと思われます。また、小売業全体でも、製造小売(SPA)モデルが成長し、サプライチェーン全体を管理する方向性は重要なテーマになっています。また、DXやロボット、AIの活用も避けられない状況です。


「惣菜新時代」の惣菜・デリ通信では、惣菜業界及び関連業界に従事する方々に、少しでもお役にたつ情報を発信し、価値ある商品開発を提案すると共に、省人化・合理化等を推進し、惣菜業界の産業化が進展し、働きたくなる、魅力的な業界になることを一緒に目指していきたいと思っております。

運営会社

  • 社名:株式会社TFMIカンパニー
  • 代表者:代表取締役 伊東 裕雄
    (略歴)
    1981年慶應義塾大学卒。日清製粉株式会社入社後、日清フーズ(現日清製粉ウェルナ)関東、広域、業務用営業部長を担当。2000年以降、日清製粉グループの中食惣菜事業立ち上げを担当。12年トオカツフーズ取締役(15年同社取締役副社長)、18年日清フーズ常務取締役中食惣菜事業部長、19年イニシオ取締役社長を経て、23年TFMIカンパニーを設立。中食惣菜業界の産業化を目指し、携わる方々の幸せ、地域原料・惣菜メーカー・スーパー製造小売の発展に向けて、支援活動邁進中。
  • 事業内容:中食惣菜事業に関する調査研究、情報配信サービス、セミナー企画・運営
  • 本社所在地:〒1730005 東京都板橋区仲宿60番16号 マルジュー仲宿ビル